「良医の視点」を皆さまの熱いご要望によりweb公開決定!(2017.4月〜現在まで・公開中)週刊新潮にて掲載

いわさき・こういち
医学博士。京都大学医学部臨床教授。日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医。三叉神経痛・顔面痙攣の外科的治療、脊椎・脊髄、脳腫瘍、脳動脈瘤の外科的治療を得意とする

鍵穴手術による経椎体的椎間板摘出術で豊富な実績を上げ
前方固定術では鎖骨を移植骨に用いた低侵襲治療を実践
マイクロスコープによる鍵穴(キーホール)手術
岩崎主任部長の「低侵襲の鎖骨を移植骨に用いた前方固定術」の論文は米国脳神経外科学会誌に掲載され、イラストはその表紙に採択された
 北野病院脳神経外科は、1962年に開設された老舗の脳神経外科で、55年に及ぶ歴史と伝統に支えられ日本の中心的医療施設としての役割を果たしてきた。
 脳神経外科による頸椎疾患について、「神経根症と脊髄症の2つに大きく分かれます。症状のない方や軽微な症状の患者さんは手術をおすすめしないことが多いのですが、日常生活に支障がでている場合は、その症状の程度や検査結果を元に手術をおすすめすることがあります」と脳卒中センター長、外傷センター長を兼ねる岩崎孝一脳神経外科主任部長は話す。
 神経根症は、肩から腕にかけて痛みが生じ、腕や手指に痺れが出ることも少なくない。「頸椎椎間板ヘルニアなどにより神経根が障害された場合、当院では鍵穴(キーホール)手術による経椎体的椎間板摘出術を行っています。6㎜の穴を利用して椎間板を摘出するため、マイクロサージャリーに熟練したドクターだけが可能な手術といえます」
 経椎体的椎間板摘出術では、椎骨動脈をよけてアプローチする必要があり、また奥には神経根があるため高度で繊細な手技を要する。

低侵襲の鎖骨を移植するオリジナル治療法
6㎜の穴からアプローチする鍵穴手術による低侵襲の経椎体的椎間板摘出術で豊富な実績を上げる。術後の頸部皮膚状態をみると、傷がほとんど目立たず、痛みも少ない
 脊髄症の手術もマイクロスコープを使った2〜3㎝程度の切開創でアプローチしていく前方固定術で対応するが、同院では岩崎主任部長オリジナルの自家骨移植を行っている。「骨盤にある腸骨でなく、鎖骨から取ります。腸骨採取にはさまざまな合併症のリスクがあります。痛みのため離床が遅れたり、痛みや痺れで歩きにくくなったりすることもあります。荷重がかかることで、腸骨の骨折の危険性も高まります。その点、鎖骨には荷重がかからないため、合併症のリスクが少ない治療法です」。自家骨を利用した場合、3~6カ月程度で癒合するという。なお、この手術方法の有用性は国内外の学会で報告、米国脳神経外科学会誌にも掲載された。
 「頸椎の手術では、術後の痛みがほとんどなく、翌日から歩くことができます。当院では、低侵襲治療を徹底していますから、何かあればご相談ください」と岩崎主任部長は頸椎低侵襲手術のエキスパートドクターとしての自信をのぞかせた。

※内容は2018年1月25日 掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
法人名 公益財団法人 田附興風会 医学研究所
地域の人々の健康を守るべく、患者さんの立場に立った最新の医療を提供している
施設名 北野病院
フリガナ キタノビョウイン
TEL 06-6312-1221
住所 大阪府大阪市北区扇町2-4-20
病床数 699床(一般687床、精神12床)
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