医療現場で活躍しているドクターを紹介する特別インタビュー企画。 治療方針や取り組み、実績など様々な角度から徹底取材!

ちの・よしひで 1992年滋賀医科大学卒業。結核予防会複十字病院消化器外科に3年間、その後、草津総合病院内視鏡外科に勤務。2003年第一東和会病院へ赴任。日本外科学会認定外科専門医、日本消化器外科学会認定消化器外科専門医、日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医


胆嚢と胆管の結石を1度の手術で摘出
高度な腹腔鏡下総胆管切開切石術を実現

内視鏡外科センターでは年間1000例の内視鏡手術に対応

内視鏡外科手術のスペシャリストが身体に負担の少ない高度な低侵襲治療を実施

 第一東和会病院では2003年に内視鏡外科センターを設立し、現在は消化器外科、婦人科、女性泌尿器科を置き、24時間365日体制で緊急対応にも応じており、年間約1000例近くの内視鏡外科手術※1を行なっている。
 千野医師はセンター開設と同時にスタートアップスタッフとして着任し、消化器外科医として活躍しているが、中でも胆道疾患に対し、同院の藤村昌樹院長兼センター長が開発したCチューブを用いた腹腔鏡下総胆管切開切石術(LCBDE)の実践、普及に日夜奮闘している。

乳頭筋を温存し再発結石や膵炎の発症を抑制

 現在、総胆管結石に対しては主にEST(内視鏡的乳頭切開術)が用いられている。この手技は内視鏡を十二指腸まで挿入し、胆管・膵管の出口にあたる乳頭部を切開して結石を除去する方法だ。一般的に総胆管にある石は、胆嚢にあった胆嚢結石が胆管に落ちたものが多い。そのため通常、外科医が胆嚢を摘出し、総胆管に対しては内科医がESTを行うという2段階の治療が行われてきた。しかし千野医師が取り組むLCBDEでは、胆嚢、胆管両方に結石がある症例に対して、胆嚢摘出を行うと同時に総胆管を剥離、切開して結石を除去する。その際胆汁の漏れ、黄疸を抑えるため、3〜4日間胆汁を体外へ排出するためのCチューブを留置する。この術式の場合、一度の手術で胆囊、胆管両方の石を取り除くことができ、さらに術後にCチューブ造影を行う事で、遺残結石が見つかった場合にも、その段階で取り除くことができる。2017年12月現在、同院では562例の手術実績※2を挙げている。
 「ESTで切開を行う乳頭筋には、十二指腸液が総胆管や主膵管内に逆流するのを防ぐ弁としての働きがあります。しかし切開を行うと働きが弱まって十二指腸液の逆流が起こり、再発結石のリスクが高まるというデメリットがあります。また、施行時には膵炎を起こす可能性があります。LCBDEは大切な乳頭筋を温存でき、膵炎もほとんど起こしません。術後最短3〜4日で退院可能です」

患者負担の少ないLCBDEのさらなる普及を目指したい

 「LCBDEは外科的アプローチになるため、内科的アプローチであるESTに比べ、当初怖さを感じる患者さんも確かにいらっしゃいます。そこで患者さんと同じ目線に立ち、わかりやすく手術の内容やメリット、デメリットを説明するように心掛けています」
 同院でLCBDEへの取り組みが本格的に始まったのは、2008年のことだ。「これから本格的に10年経過後の長期データが出てきますが、その実績を元に、より一層LCBDEの普及に努めていきたい」と、千野医師は語ってくれた。

※1:2016年1〜12月(967件)2017年1〜12月(893件)  ※2:2003年6月〜2017年12月

短期滞在・腹腔鏡下胆嚢摘出術

本手術は2000年以降、急速に普及している代表的な短期滞在手術です。しかし、この手術は、胆嚢の奇形や、結石が他の場所(胆管)に存在している場合があるなど患者さんにより違いがあるため精緻な手術が求められます。当院では、問題を解決すべく術前検査だけで無く、術中もCチューブを用いて精査し安全な手術を目指しています。(平均在院日数:4日間)

※内容は2018年10月31日時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください
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医療機関情報
施設名 第一東和会病院
フリガナ ダイイチトウワカイビョウイン
TEL 072-671-1008
住所 大阪府高槻市宮野町2-17
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診療時間
9:00~11:30(総合内科)
※受付時間・曜日は診療科により異なる

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