医療現場で活躍しているドクターを紹介する特別インタビュー企画。 治療方針や取り組み、実績など様々な角度から徹底取材!

きくち・けいた
1991年聖マリアンナ医科大学卒業。順天堂大学心臓血管外科准教授。大和成和病院心臓血管外科部長。中国・武漢アジア心臓病医院にて低侵襲心臓手術指導。2018年2月一宮西病院心臓血管外科統括部長、ハートセンターセンター長

低侵襲心臓手術(MICS)のスペシャリストが主導し、
早期の社会復帰が可能な質の高い医療を提供

断らない医療を信条に質の高い心臓手術を展開

低侵襲心臓手術(MICS)を行う

 一宮西病院は、地域の救急・急性期医療を担う施設として2001年に創設され、その後2009年に新築移転した尾張西部地区の基幹病院である。尾張西部医療圏では唯一、大学病院本院に準ずる機能を有する「DPC特定病院群」の指定を受け、「24時間365日、いつでもどんな怪我や病気も断らない」という方針の下、地域住民からの厚い信頼を獲得している。そんな同院に2018年2月、新たに赴任したのが菊地慶太心臓血管外科医である。菊地医師は心臓の低侵襲手術(MICS)のスペシャリストとして、特にMICS CABG(低侵襲冠動脈バイパス手術)においては、国内外の医療機関で指導や講演を行っている。同院においても菊地医師が中心となり心臓手術に重きを置いた質の高い治療を提供している。

胸骨を温存する低侵襲手術で術後の負担を大幅に軽減

最新医療機器ハイブリッド手術室

開放感のある病院エントランス

 一般的な心臓の手術では、胸の中央部に位置する胸骨を縦に完全に切って心臓へと到達する。手術自体は安全だが、胸骨が完全にくっつき、日常生活を不自由なく行える状態まで回復するには3カ月ほどかかる。その間は自動車の運転などが制限されるうえ、胸骨骨髄炎という感染症のリスクも高い。そこで菊地部長が取り組み始めたのがMICSである。
 MICSでは胸骨を全て切らずに手術を行う。それにも関わらず、胸骨を縦に完全に切る胸骨正中切開法と同様の治療ができるのが特長だ。傷口が小さくて済むため、手術後の日常生活への復帰が早まる。また、輸血率も低く、胸骨骨髄炎のリスクもほぼ0%と極めて低い。「最近では、胸に大きなキズが残る開胸手術よりも、風船のついたカテーテルで血管を広げる経皮的冠動脈形成術(PCI)など、内科的治療を好む患者さまが多いですが、その主な原因は、開胸手術に対する恐怖心です。からだへの負担が少なく、小さな傷で行うMICSであれば、こうした患者さまの不安を取り除くことができるはずです」と菊地医師は力説する。
 MICSの定義は、胸骨を温存すること。そのため、胸骨の部分切開のほかにも、胸部を小さく切開して行う内視鏡手術など、症状に応じてさまざまな術式が選択される。「心臓の機能が特に悪い方、心臓が肥大している方などは難しいですが、ほとんどの場合、MICSが適用できます。私が当院に赴任してから、すでにMICSを含めた心臓大動脈の手術件数は140例※を超えており、年間200例を超えていく可能性があります。患者さまからも大変喜んでいただいています」と菊地医師は話す。

ハートチームを発足させ多職種が密に情報を交換

菊地医師の赴任後まもなく撮影したハートチームの集合写真

院内には快適にリハビリに取り組める環境が整っている

 一宮西病院では、菊地医師の赴任を契機にハートチームを新たに発足。外科と内科の医師を中心に多職種が密に情報交換を図り、最適な治療を選択・提供できる体制を構築した。「外科医である私たちは、内科の治療を全て把握しているわけではありませんし、内科の先生方もしかりです。そのため、今後も互いの理解を深めていけば、より多くの選択肢を患者さまに提供できると考えています。例えば、1人の患者さまに対してバイパス手術とPCIを一緒に行うことも可能になります。患者さまに最適な医療を行っていくのが私たちの目標です」と菊地医師。
 また、ICUに2人のリハビリスタッフが常駐し、一般病棟に移行後も在宅復帰を視野に入れながら、総勢100名をこえるコメディカルスタッフがリハビリを展開しているのも患者は大きな安心感がある。2018年8月に、尾張西部医療圏で初となるハイブリッド手術室を新設。内視鏡には最新の3D内視鏡を導入、今後ダヴィンチ(ロボット手術)を導入する計画も進んでおり、さらに充実した医療環境が整っていく予定だ。
 「当院は、心臓手術に特化した病院と、他科との連携を図れる総合病院のメリットを併せ持っています。これほど安全で充実した環境でMICSを行える医療機関はほとんどないと自負しています。ぜひ多くの患者さまにそのことを知っていただき、お役に立つことができればうれしいです」と菊地医師は力強く話した。
※ 2018年2月〜9月
手術実績 ※菊地慶太医師赴任後(2018年2月〜9月)の心臓血管外科手術件数
心臓大動脈手術数 142件
うちMICS 29件
─ MICS CABG 13件
─ MICS CABG+大動脈瘤切除 1件
─ MICS CABG+弁置換術 6件
─ MICS 弁形成術 1件
─ MICS 弁置換術 5件
─ MICS 弁置換術+大動脈瘤切除 2件
─ MICS ASD 1件

※内容は2018年10月31日時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

(PR)
医療機関情報
施設名 一宮西病院
フリガナ イチノミヤニシビョウイン
TEL 0586-48-0077
住所 愛知県一宮市開明字平1番地
ホームページはこちらから(別ウインドウが開きます)
※診療時間につきましてはホームページでご確認ください。

↑ページTOPへ