より整容性に優れた低侵襲手術の単孔式腹腔鏡下手術をいち早く手がけ
安全かつ患者様に優しい医療を常に心がけ日々診療にあたる
傷が目立たず出血も少ない単孔式腹腔鏡下手術

マルチチャンネルポート法。おへそから最新のアクセスポートを挿入し、安全に単孔式胆嚢摘出術を行う
「腹腔鏡下手術は、小さな傷で手術を行う体に優しい手術法です。気腹ガス(二酸化炭素)により大きな視野が得られるため、より安全に出血の少ない手術を行うことができます。また、入院期間の短縮、痛みの軽減、早期社会復帰が可能で、患者様のさまざまな負担を減らすことができます」と福岡輝栄会病院の山本純也外科部長は話す。
単孔式腹腔鏡下手術は、さらに整容性に優れた低侵襲手術として知られている。山本外科部長が、単孔式腹腔鏡下手術に着目したのは2009年5月のことで、いち早く最新治療法に取り組んだ。「腹腔鏡下手術を行ったことのある妊婦の方を診察した時、出産を控えておなかが膨らみ手術痕が目立ってきているのに気づきました。その点、単孔式はおへそに約1・5㎝の切開を加えるだけなので、ほとんど傷はわかりません」
同院では、胆石症などの胆嚢疾患に対して最新のアクセスポート(単孔式手術器具)を用いた単孔式胆嚢摘出術を標準術式としている。「術後癒着や創出血などのリスクも少なく、肥満の方にも有効です。手術法や手術器具の進歩により、胆嚢疾患の95%以上の方に単孔式胆嚢摘出術が可能です。とはいえ、手術で一番大切なことは安全性です。胆嚢の炎症や腹腔内癒着がひどい場合は、2~5㎜の小さな穴を追加し、サポート鉗子(かんし)を用いて手術を行うことがあります。また、胆嚢の炎症が治まるまで手術を延期する場合もあります」
独特の手術操作に習熟した専門医による高度手術

単孔式胆嚢摘出術の術後1年目。「傷がほとんどわかりません」と山本外科部長
単孔式胆嚢摘出術は、おへそ1カ所の穴で手術を行う。従来の腹腔鏡下手術に比べて制限された手術創で腹腔鏡下操作を行うため、より高度な技術が必要となる。「腹腔鏡手術領域で一定の修練を積み、独特の手術操作に習熟した内視鏡外科医が責任をもって手術を行います」と山本外科部長は強調する。
日本全国、中国や台湾からも患者様が来院し、中には飛行機が嫌いだというご夫婦が、新幹線などを乗り継いで北海道から泊まりがけで来院されたこともあるという。
胆石症で悩みを抱えている方は直接当院にご連絡ください

福岡輝栄会病院の手術法が紹介されている本
胆嚢は肝臓で作られた胆汁(脂肪を分解する酵素)を蓄えておく倉庫で、食事をすると胆汁が胆嚢から腸管に排出される。胆嚢の排出機能が落ちると胆石ができ、それが突然の激しい腹痛や発熱を引き起こすことがある。いわゆる胆石発作で、これに対する根治的治療法が手術(胆嚢摘出術)であるという。
「胆石症患者の100人中1人に胆嚢がんが見つかっています。胆石症の診断や治療法は日々進歩してきています。悩みを抱えている方は、積極的に医師に相談してみることをおすすめします。胆石症や単孔式胆嚢摘出術について詳しく知りたい方は、当院サイト内の『傷口が目立たない手術方法・単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術』のページをご覧いただくか、直接当院にご連絡ください」と山本部長。「当院では、安全かつ患者様に優しい医療を心がけ日々診療にあたっています」と言葉を重ねた。