医療現場で活躍しているドクターを紹介する特別インタビュー企画。 治療方針や取り組み、実績など様々な角度から徹底取材!

やすなが ゆうじ
医学博士。1980年、広島大学医学部卒業。95年、パリ大学コシャン病院などで研修。広島大学講師、助教授を経て、2005年、広島大学大学院医歯薬学総合研究科人工関節・生体材料学講座教授。14年、広島県立障害者リハビリテーションセンター副所長。16年、現職。日本股関節学会理事、中部日本整形外科災害外科学会評議員、日本関節病学会評議員、日本人工関節学会評議員、International Hip Society 会員ほか役職多数。人工股関節、関節温存手術で全国有数の実績 

「自分の関節に勝る関節はない」とのこだわりから
寛骨臼回転骨切り術などの関節温存手術を極める

人工股関節手術や股関節温存手術で豊富な実績を上げる

60歳までの比較的若い患者さんに対して、関節温存手術の適応がなく人工股関節置換術を行う場合、国内の人工関節メーカーと共同開発した骨温存型人工股関節を使った手術も手がけている

 広島県立障害者リハビリテーションセンターでは、整形外科の手術で豊富な実績を上げている。「2015年1月〜12月で1251件の整形外科手術を行い、特に人工股関節手術、股関節温存手術は県下で群を抜いています。また、保存療法にも力を入れています」と安永裕司所長は話す。
 例えば、変形性股関節症の手術については、患者さんの病期や年齢によって関節温存手術と人工股関節置換術を選択する。「前・初期の変形性股関節症に対して、日本で最も標準的に行われている手術は、寛骨臼回転骨切り術(RAO)です。回転する臼蓋の関節軟骨で骨頭をおおうことができるため、関節の安定性が得られます」
 進行期で軟骨がかなり摩耗していたり骨頭変形が強い場合には、大腿骨外反骨切り術などの関節温存手術も行う。
 「自分の関節に勝る関節はないと思っています。1987年4月〜2017年3月で人工股関節2500件、関節温存手術1000件の股関節手術の実績がありますが、50歳代で骨切り術を行った患者さんで、30年近くもっている方がいらっしゃいます。20歳代の若い方は、特に再生能力が高く、まずは関節温存手術を考慮すべきです」

MIS志向より人工関節の的確な設置と感染症や合併症予防を重視

寛骨臼回転骨切り術。「RAOで寛骨臼を整えることで、骨だけでなく、軟骨も再生していきます」と安永所長

 最近はMIS(最小侵襲手術)が注目されているが、安永所長は「人工股関節置換術で重要なことは、感染や脱臼などの術後早期の合併症を起こさず、できるだけ長持ちさせることです。無理に小さい皮膚切開で手術を行うと、関節内が見えにくいので、人工関節の設置に時間がかかることによる感染率の上昇、人工関節の好ましくない位置での設置から脱臼率の上昇、大腿骨骨折、耐久性の低下につながります。どのような手術も同じですが、皮膚切開は経験を積めば積むほど自然に小さくなります。私の場合はMISのための特殊な器具を使用しなくても、10㎝前後の皮切で手術を行っています」
 こうした考えは、リハビリテーションでも共通しており、ゆったりとした日程で、確実なリハビリを心がけている。「手術後1週間前後で退院した場合、人工関節の合併症である肺塞栓が自宅で発症すると大変危険です。肺塞栓への対応を考えると、3〜4週間は入院してリハビリを行うのが安全でしょう」
 広島県立障害者リハビリテーションセンターの診療の根底にあるのは、あくまで「患者さんのため」であり、安全第一を優先した治療を徹底しているといえよう。

※サンデー毎日 2017年4月25日 掲載

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医療機関情報
施設名 広島県立 障害者リハビリテーションセンター
フリガナ ヒロシマケンリツショウガイシャリハビリテーションセンター
診療科目 整形外科、小児科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、 放射線科、麻酔科(向田圭子)、泌尿器科、リウマチ科、 内科、眼科、精神科、神経内科、歯科
TEL 082-425-1455
住所 広島県東広島市西条町田口295-3
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診療時間
9:00〜12:00
14:00〜17:00
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