医療現場で活躍しているドクターを紹介する特別インタビュー企画。 治療方針や取り組み、実績など様々な角度から徹底取材!

あべ・たかし
医学博士。1988年、岩手医科大学大学院神経内科修了。88年、岩手医科大学神経内科学講座助手。91年、同講師。96年、同助教授。2003年、あべ神経内科クリニック院長。07年、医療法人あべ神経内科クリニック理事長。日本認知症学会評議員、日本老年精神医学会評議員。日本神経学会認定神経内科専門医

誤診されやすい認知症レビー小体型認知症
神経内科医が語る「的確な診断と治療の重要性」

さまざまな症状が見られるレビー小体型認知症(DLB)

パーキンソン病治療のエキスパートでもある阿部院長。釧路や長崎、兵庫、新潟など全国各地から患者さんが来院するという。「認知症治療は、薬物療法のほか、脳活性化リハビリテーションなどがあります。特に筋力トレーニングやウォーキングを行う運動療法は、認知機能を高めたり、脳の萎縮を抑えたりする効果があると期待されています」と阿部院長

 「レビー小体型認知症(DLB)は、アルツハイマー型認知症(AD)に次いで2番目に多い認知症で、高齢の認知症患者の10数%から20数%を占めるポピュラーな認知症ですが、まだ十分知られていないのが現状です」とあべ神経内科クリニックの阿部隆志院長は話す。
 DLBでは、意欲が低下したり、物事を順序立てて進めることができなくなったりするといった症状が多く見られる。また、これらの症状が起こったり、良くなったりと変化すること(認知の変動)も特徴の一つである。「実際にはないものが見える幻視、体が動かしにくい、手足がふるえる、歩きづらいなどのパーキンソン症状も多くの患者さんに認められます。ほかにも、妄想、抑うつ症状、夜中に暴れたり大声を出したりするレム睡眠行動障害、便秘、起立性低血圧、発汗障害をはじめとする自律神経症状など、さまざまな症状も見られることがあります。また、抗精神病薬に過敏に反応し、症状が悪化することも特徴の一つとされています」

より高度な診断が必要なレビー小体型認知症(DLB)

 DLBは多彩な症状が特徴の病気のため誤診されやすく、的確な診断と治療が求められる。「DLBを完治させる薬剤はなく、どの症状が出現しているかを適切に評価し、その出現している症状へ対症的な治療を行うことになります。DLBの場合、初期は認知症の症状が目立たないため、診断がより難しくなります。その点、神経内科医は、頭の先から足の先まで全身を診ることができるため、的確な高度診断が可能になります」
 治療については、2014年9月にドネペジルがDLBの認知障害に使用可能となっている。「ただ、幻視や妄想などの精神症状の治療はパーキンソン症状を悪化する可能性があり(薬剤過敏性)、逆に、パーキンソン症状の治療は幻視を悪化する可能性があります。そのため、どの症状が患者さんの苦痛となっているか、介護者の負担はどうか、副作用のリスクはどうかなどを総合的に評価し、どの症状を優先的に治療するかを検討する必要があります。現在、パーキンソン症状に対し、非ドパミン系薬剤であるゾニサミドの臨床治験が本邦で進行中で、その結果が近々発表される予定です」と阿部院長は進化する薬物療法について強調した。

※サンデー毎日 2017年5月30日 掲載

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医療機関情報
施設名 あべ神経内科クリニック
フリガナ アベシンケイナイカクリニック
診療科目 神経内科、内科、リハビリテーション科
TEL 019-606-3711
住所 岩手県盛岡市肴町6番6号

診療時間
9:00〜13:00
14:00〜18:00


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