かなもり・たろう
2000年金沢大学医学部卒業、2015年より現職。日本外科学会認定外科専門医、日本心臓血管外科認定心臓血管外科専門医
川口市初の
心臓血管外科に特化した病院として
「断らない医療」を目指す
最新医療設備ハイブリッド手術室を完備
 60万人近い人口がありながら、心臓血管外科に特化した病院がなかった埼玉県川口市。そこで24時間365日体制で対応する「断らない医療」を掲げ、整った救急医療体制の下、医療知識の高いスタッフが治療を担当する病院として誕生した「かわぐち心臓呼吸器病院」。病院の柱となる心臓血管外科部長として、陣頭に立って日々治療にあたっているのが金森部長だ。
早期社会復帰を実現する
低侵襲の心臓手術MICS
高度な技術を要する低侵襲心臓手術
 現在生死を分ける救急の心疾患の治療と共に力を入れているのが患者負担の少ない低侵襲治療で、弁膜症に対するMICS(ミックス)への取り組みもその一環だ。通常、弁膜症の置換手術の場合、胸の真ん中を切開する正中切開を行う。この場合20㎝ほどの切開が必要になり、さらに胸骨も切る必要がある。一方MICSの場合、肋骨の脇を10㎝ほど切開するだけで胸骨を切る必要もない。
 「人間が重い物をもつ時、胸骨と鎖骨のユニットがとても大切です。通常の術式で胸骨を切った場合、ワイヤーで留める処置をしますが、実際に骨がつくまでには2ヶ月ほどかかります。その間重い物をもつ仕事や、ゴルフや野球といった体をひねる動作のあるスポーツはできません。しかしとくに若い方であれば、長期間仕事を休むことはできませんから、術後早期に社会復帰を実現させる意味でも、MICSは非常に有効な術式です」と金森部長は語る。
 金森部長は傷口の小ささは副次的なメリットにすぎないと言うが、女性の場合、バストや下着で傷口が隠れる審美上の効果もやはり大きい。
若年層を中心に
MICSの適用を広げていきたい
 MICSは昨年から保険適用になったが、技術的には従来の術式より難しい部分もあり、まだこの術式を行なっている病院は限られている。
 「胸骨を切らないMICSの場合、傷口から細菌感染して感染性縦隔炎を起こすリスクもありませんが、不整脈などの合併症があるとMICSは適用できません。そのため適用は若年層が中心になりますが、できるだけ高齢者にも適用を広げて、患者さまに自由に選択していただけるようにしたいと考えています」と金森部長。
 早期発見、早期処置を行うことで、できるだけ自分の弁を残すことができる。若年層の女性であれば、そのことが将来的に妊娠、出産の望みにもつながる。そのためにも早期社会復帰を可能にし、さらに傷口も目立たないMICSを今後より普及させていきたいと、金森部長はMICSにかける思いを語ってくれた。

 

※内容は2019年5月9日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 かわぐち心臓呼吸器病院
フリガナ カワグチシンゾウコキュウキビョウイン
TEL 048-264-5533
住所 埼玉県川口市前川1-1-51
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