ほしの・まさひろ
1983年日本大学医学部卒業、同整形外科入局。91年日大附属練馬光ヶ丘病院整形外科医長。98年東松山市立病院整形外科部長。2006年苑田第三病院東京脊椎脊髄病センター長就任。日本MISt研究会 関東MISt世話人。日本整形外科学会認定整形外科専門医、日本リハビリテーション医学会認定リハビリテーション科専門医
待合室に情報を多数掲示
低侵襲脊椎手術を積極的に実施
豊富な経験と高度な技術が可能にする低侵襲手術
 東京脊椎脊髄病センターは2006年、医療法人社団苑田会の苑田第三病院内に開設された、脊椎脊髄治療に特化した施設。星野医師はセンター長として開設以来、脊椎脊髄患者の治療に取り組んでいる。
 同センターの待合室には脊椎や腰椎、頸椎の治療や手術に関する情報が多数掲示され、患者が自分の疾患に関する情報を得やすい状態が作られている。それらの中でひときわ大きく目を引くのが、低侵襲脊椎手術への取り組みだ。腰椎変性すべり症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニアといった腰椎変性疾患や頸椎椎間板ヘルニア、頸椎症性脊髄症のような頸椎変性疾患を対象に、低侵襲脊椎手術を積極的に行っているという。
最大のメリットは筋肉ダメージの少なさ
日常生活への復帰も容易に
 近年、脊椎手術の分野では低侵襲化が一つの大きな流れになっている。侵襲とは痛みや傷、感染といった、体にとって有害となり得る刺激を指す医学用語。それらをできるだけ少なくして手術を行う低侵襲脊椎手術を総称して「最小侵襲脊椎安定術=MISt(ミスト)」と呼んでいる。ミストによる手術は皮膚の切開がピンポイントで済み、出血量や感染のリスクが軽減される。また何より筋肉をはがして骨を露出させる部分が少ないため筋肉へのダメージが少なく、これまで術後に発生することが多かった遺残性腰痛(はがした筋肉が弱まることで起こる腰痛)を抑えることができる。回復も早く、入院期間の大幅な短縮も可能だ。
施設の垣根を越えたチーム医療で
より安全な医療の提供を目指す
 星野医師は脊椎手術の安全な普及を目指して結成されたMISt研究会の発起人でもある。MISt研究会に在籍する医師は約800名おり、星野医師は指導的立場にある医師として、研究会を通じた情報共有や若手医師の指導、教育にも力を入れている。
 「ミストは従来法より術野が小さい分、安全に行うには技術の習熟が欠かせません。そのため病院や職種の垣根を越えた勉強会やトレーニングを行い、医師だけでなくナースやコ・メディカルも含めたミストに携わる医療従事者全体の知識と技術の底上げを目指しています」と星野医師。
 すべての適応疾患に対して、常にミストが最善というわけではない。だがミストの普及により、以前なら諦めざるを得なかった患者も手術が受けられるようになるなど、果たす役割は大きいといえる。
 「今後はミストの普及とともに従来法の低侵襲化も進め、より安全性の高い医療を提供していきたい」と星野医師は力強く語ってくれた。

 

※内容は2019年5月9日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

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医療機関情報
施設名 苑田第三病院 東京脊椎脊髄病センター
フリガナ ソノダダイサンビョウイン トウキョウセキツイセキズイビョウセンター
TEL 03-5837-5111
住所 東京都足立区伊興本町2-5-10
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