こいえ・たくや
医学博士。1994年国立大学法人弘前大学医学部卒業。同年弘前大学医学部附属病院入局。2006年弘前大学医学部附属病院講師。12年弘前大学医学研究科准教授。16年弘前大学医学部附属病院臨床教授を経て18年8月より現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医
術前治療の徹底で
筋層に浸潤があるがんに対しても
ロボット支援下内視鏡手術が可能に
低侵襲治療には必要不可欠なダヴィンチ
 泌尿器科における低侵襲手術「泌尿器腹腔鏡下手術」で先駆的な取り組みをしてきた古家琢也教授が、「泌尿器腹腔鏡下手術よりもさらに患者の回復が圧倒的に高い」と評するのがダヴィンチ(ロボット支援下内視鏡手術)だ。
 「当院でダヴィンチを導入した当初は、他に浸潤がない状態のがんに限定して適用していました。しかし現在は、術前の抗がん剤治療などと組み合わせることで、筋層に浸潤のある、より悪性度の高いがんに対してもダヴィンチを適用しています。適用症例が増えたことや、これまでの実績を評価していただき、現在ダヴィンチは月に10例ほどあります」と古家教授。
原発部位を切除することで
がんの根治を目指す
エキスパートドクターが揃う泌尿器科チーム
 浸潤が始まっているがんに対しては、手術を行うことに対して賛否両論があるという。しかし古家教授は、手術で原発部位を切除することの重要性を指摘する。
 「例えば前立腺がんの場合、ホルモン療法はあくまで温存療法です。根治を目指すためには、抗がん剤治療との併用、さらには手術で原発部位を切除することが必要です当院では働き盛りの年代の患者さまを中心に、あくまで根治を目指した治療を提供していきたいと考えています」と古家教授は語る。
 同院では、膀胱を全摘した場合の小腸を使った再建術までダヴィンチで対応しているという。この取り組みができるのは、全国でもまだ10施設以下と少ないのが現状だ。
 「ダヴィンチの場合、術中の出血量が圧倒的に少なく、患部だけをピンポイントで処置するためでしょうか、低侵襲の泌尿器腹腔鏡下手術と比較しても、患者さまの術後の回復が圧倒的に早いですね。前立腺がんの手術では、術後尿道カテーテルを1週間ほどで抜きますが、抜いたらすぐに退院できるほど回復している患者さまが目立つほどです」と古家教授。
あらゆる手術が
ダヴィンチになる日も近い
古家教授を中心に各分野に精通した手術スタッフがチーム医療を支える
 ロボット支援下内視鏡手術症例数が多い同院では、今はほとんどの医師がダヴィンチを使いこなせるようになっており、再建までを含めた膀胱摘出手術の場合、一般的には10〜12時間かかるところを、同院では6〜7時間で終わるまでになっているという。
 「10〜15年後には、各病院の手術室には必ずダヴィンチが置かれ、あらゆる手術を担う日が来るのではないでしょうか」と、古家教授は将来の手術のあり方を語ってくれた。

 

※内容は2019年5月9日掲載時点のものです。詳しくは各医療機関にお問い合わせください

 
 

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医療機関情報
施設名 岐阜大学医学部附属病院
フリガナ ギフダイガクイガクブフゾクビョウイン
TEL 058-230-6000
住所 岐阜県岐阜市柳戸1-1
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